わら細工の名手を訪ねる
(2015年5月2日 トミーサト)
今日は、松井田町の「わら細工」の名手、小崎さん宅を訪ねてみました。日本の伝統な民芸品である「わら細工」。わら縄、わらじ、蓑や笠など…。稲作の副産物でもある「わら」は、古くからさまざまなものの材料となり、人々の暮らしに役立ってきました。今でも、お正月のしめ飾りや工芸品などに、その技術、伝統が受け継がれています。
まずは小崎さんに、作品に仕上げるまでの工程を聞きました。材料になる「稲わら」も自身の田んぼで作るといいます。通常の水稲を育てている田んぼのまわりに、約0.2アールほどの古代米の種をまき、田植え。わら細工用の稲の刈取りは、実を付けない8月中旬頃に行うそう。刈った稲を田んぼで4日ほど干し、家の2階で半月ほど乾燥した後、布袋に入れて保管。冬場に作業を始めるそうです。
作品を作り始める前に、まずは「わらすぐり」を1本1本丁寧に行います。この「わらすぐり」は、わらの「はかま」と呼ばれる下葉部分をきれいに取り除くこと。作業の間、今年のテーマを考えて、頭の中でデザイン、編む順番などのイメージをふくらませるそうです。そして、なんと『ぶっつけ本番』で取り掛かるとか。
小崎さんのお宅の居間には、大きな宝船、ペガサス、フクロウなどの作品がズラリ。時には、町内の小学校や高校、公民館などで「わら細工」を教えているそうです。小崎さんは、わら細工のほかにもPPバンド(梱包、結束用のプラスチック製バンド)で編むバックなどもたくさん作っています。「毎日が忙しくて、楽しい」と語ってくれました。
取材 : ボランティアサポーター・トミーサト