?ひみつのだがしや? やってるよ? 〜子どもたちに人気の駄菓子屋さん〜

(2016年6月13日 お使い アリさん)

 「く〜ださぁ〜いな?」
 幼稚園に通う女の子、サキちゃんのかわいい声が響く。後ろのベンチには、やさしく見守るお母さん。サキちゃんのお友達、シュンくんもズラリと並んだ駄菓子の中から、楽しそうにお気に入りを選んでいる。

 買うお菓子が決まったサキちゃんが、丸い小さなお財布から小銭を選ぶ。
「これ ? 」と、店主に百円玉を見せるサキちゃん。
「銀色のお金1つと、茶色のお金…。そう、そう。それと、白い小さなやつを2つね」と店主。
「はい、お菓子。ありがとうございました」。
まるで『お店屋さんごっこ』のような買い物だが、サキちゃん、シュンくんは満足そうだ。「何を買ったの? 」の問いに、袋の中を見せながら「今日は、おねえちゃんの分も買ったから、たくさん買った」と、うれしそうにシュンくんが答えてくれた。

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 ここは安中市原市にある「ひみつのだがしや」。毎週月曜と金曜(午後2時〜同5時)、第1・第3土曜(午前10時〜午後5時)に開店する、かわいい駄菓子屋さんだ。営業時間中は、近隣の子どもたちや親子、孫と祖父母などでにぎわいを見せるが、「ランドセルを家に置いてから買いに来る」のが、店主であるnonnoko(のんのこ)さんと子どもたちとの約束という。

 nonnokoさんは、木工雑貨を手がける作家。駄菓子屋は、自らの作品や委託作品を販売する雑貨店「nukuiro zakka 〜小さな青い雑貨屋さん〜」の裏手にあり、自宅の軒先を利用した手作りの店舗だ。2014年の終わりごろから雑貨店とともに始めたというが、当初は雑貨店の方も「作品を置いておく場所」として建てたという。「夫に手伝ってもらいながら数ヶ月かけてここ(雑貨店)をつくっていたところ、たまたま近隣にあった駄菓子屋さんが閉店したことを知りました。ウチの子どもたちも残念がっていて…。で、ここでやってみようかと始めたんです。『おばあちゃんになったら駄菓子屋さんをやりたい』とも思っていたので、それが少し早まったってことですね(笑)」。

外観

 子どもたちがやってくるのは、通常午後3時から5時の間。「小学生たちには、買うお菓子の計算も自分でやってもらうようにしています。買物を通して『駄菓子屋のおばちゃん』である私との会話を楽しんだり、友だちと話したり…。放課後、子どもたちが楽しめるところになっていれば、うれしいです」と話すnonnokoさん。「ゴミをちらかしちゃダメ」や「小さい子が買物をしてる時には、大きい子はよけてあげて! 」などといったことも、しっかり子どもたちに伝えるという。「私にも子どもがいますから、言わなきゃいけないことは、はっきり言う…という感じですね。うるさいオバちゃんでも、いいんです」と、いたずらっぽく笑う。

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 原市小学校近くにある「ひみつのだがしや」。店主との申し合わせで、あえて住所は掲載しない。だって「秘密」の「駄菓子屋」だから、ね。ヒントは「すぐそばに歩道橋がある」こと、「青い小さな建物が、道路沿いに建っている」こと、「OPENではなく、やってるよ♪ と書かれた看板がある」こと。訪ねてみたい方は「お店を見つけ出す過程」も楽しむつもりで、出かけてほしい。
※都合によって月、金、第1・第3土曜でも休店する場合あり。

看板

敷地内には、こんなブランコも…

敷地内には、こんなブランコも…

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