磯部の魅力は「磯部せんべい」だけじゃない! ~名月堂をたずねて〜

(2015年6月17日 伊藤 麗香)

 安中市にお住まいの皆さま、こんにちは。安中市外にお住まいの皆さまも、こんにちは! あんなかみんなのサイトの「唯一の県外レポーター」こと御園生です。その御園生が、今回、温泉地としても有名な磯部を訪ねました。
 県外にお住まいの皆さんでも「磯部せんべい」の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか? 日本でも有数の炭酸含有量を誇る鉱泉水を使って焼き上げられたおせんべいは、軽い口当たり。地元の方だけでなく、おみやげとしても大変よろこばれています。
 駅前のアーチから続く温泉街を歩くと、いわゆる「磯部せんべい屋」さんの数の多さに驚かされます。その中のひとつである名月堂さんへは、坂を下って駅から徒歩5分ほど。創業120年を誇る江戸時代末期から続く老舗で、それと一目で分かる趣きのあるたたずまいが目を引きます。

創業120年を数える老舗、名月堂のたたずまい

創業120年を数える老舗、名月堂のたたずまい

 早速お店の中にお邪魔すると、ショーケースにはさまざまな種類の磯部せんべいがズラリ。近年は安定した供給やコストとの兼ね合いから輸入品に頼る店が少なくないそうですが、こちらでは「昔ながらの味」にこだわっていて、原材料の小麦粉は県内産のものを使い続けているのだとか。長年にわたって愛され続けている磯部せんべいですが、最近では温泉にちなんだおまんじゅうの販売も。お隣に併設されたイートイン・コーナーでは、それらの甘味はもちろんお食事も頂けるといいます。

 すべてのドリンクには必ずおまけがつくとのことで……わくわくしながら待っていると、数分ほどで運ばれてきたコーヒーの横には「ちょこん感」がかわいらしい温泉まんじゅうが! 約40年前から販売しはじめた比較的「ニューカマー」な商品ながら、当時はもちろん今でも国内産の砂糖を使用しているなど、こちらも地産地消を心掛けているそう。
 基本的にはお店で購入できるものと同じですが、きちんと温めて「できたて」を思わせる状態で頂けるのは、このイートイン・コーナーならでは。ひと手間かけられたおまんじゅうは、ふわふわでもちもち。弾力を感じる薄皮の内側には、餡子がぎっしり詰まっていて……うん、これは食べごたえがあります! こうした食感もふくめ、長年にわたって愛され続ける味が変わることのないように、その日の気温や湿度によって、少しずつ分量や製法に工夫が凝らされるというからオドロキです。

コーヒーとあつあつホカホカの温泉まんじゅうの意外な相性を新発見!

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カフェ・スペースのファブリックは、一つ一つが違って、とっても個性的!

カフェ・スペースのファブリックは、一つ一つが違って、とっても個性的!

 改めて見回した店内は、茶色と白を基調とした落ち着きある雰囲気。絶えず流れるクラシックに耳を傾けながら、静かでゆったりとした時間を過ごすことができます。地元の方はもちろんのこと、周辺のホテルにチェック・インする前の観光客で、早い時間からにぎわうことも。
 少し意外だったのは、平日はサラリーマンのお客さまが多いという点。実は、安中市は、昔から東邦亜鉛や信越化学工業などの企業を有するため、社員さんや取り引き先の方が多く見えるとか。たしかに、店内のそこかしこにコンセントがあるので、パソコンやスマートフォンと長時間向き合いながら暇つぶしするのもよさそう。観光パンフレット(無料)もそろえられているので、徒歩十数メートルの場所にある足湯のついでに立ち寄って、街めぐりの計画を立ててみては?!

店内にはさまざまな雑誌があって、ゆっくりくつろげそう

店内にはさまざまな雑誌があって、ゆっくりくつろげそう

特に目を引くのが、店内中に飾ってある凧! 社長さんがお知り合いから譲り受けたものなんだとか

特に目を引くのが、店内中に飾ってある凧! 社長さんがお知り合いから譲り受けたものなんだとか

◎菓子処 名月堂
住所:安中市磯部1-13-3
電話:027-385-6127
営業:午前8時~午後7時
定休:水曜日
アクセス:JR信越線磯部駅より徒歩4分
http://www.tooashi.com/shop/shop_26.html

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