上毛かるたの名所を訪ねて~「しのぶ毛の国 二子塚」

(2015年12月4日 伊藤 麗香)

 最近、テレビやラジオで取り上げられる機会が増えている「上毛かるた」。群馬県出身で「ぐんま大使」も務めている中山秀征さんや井森美幸さんが、紹介しているのを見たことがあるという方も多いのではないでしょうか?

 「上毛かるた」とは、その名もズバリ!群馬県の魅力をギュッと詰め込んだかるたのこと。群馬県の歴史や県内の観光名所などが「あ~わ」までの46音で紹介されています。われらが安中市からも、いくつかの見どころが選ばれていますが、今回は「しのぶ毛の国 二子塚」に詠まれるように、県内各地にある二子塚のひとつ「簗瀬二子塚古墳」(同市指定史跡)を訪ねました。ちなみに、かるたの「二子塚」は特定の古墳を指すのではなく、(県内の)古墳の総称として使われているとか。群馬県には8000を超える古墳があり、奈良、宮崎の両県と並ぶ『古墳県』ともいわれています。
 
 簗瀬二子塚の最寄り駅は、JR信越線磯部駅。地元の方の話では「バスを使っても、最寄りの停留所からは、かなり歩く」とのことなので、駅前からはタクシーの乗車がおすすめです。徒歩では30分ほど。国道18号を曲がって、やや勾配のある坂道を上がっていくと、左手側の一段高い場所に青々とした草原が見えてきます。パッと見ての第一印象は、「草原にある小高い丘」。もし何も知らずに連れて来られたら、すぐには古墳だと分からないかも。行楽の季節には、ここにレジャーシートを敷いて、持参したランチボックスを広げるご家族連れの姿がよく見られるのだそう。

 広大な敷地のほぼ中央に位置する前方後円墳の全長は約80m。最も高いところで、高さ約8mあるという古墳の中腹(?)には階段が設けられ、誰でも登れるようになっています。全国には「登れる古墳」はいくつもありますが、個人的には3階建ての建物と同じくらいの高さである二子塚は、登りやすいと感じました。古墳の上からは、安中の市街地を一望することもできます。

 

簗瀬二子塚全景

    簗瀬二子塚全景

石室には小窓がついていて、内部を覗くことができます

石室には小窓がついていて、内部を覗くことができます

安中市街地を一望しちゃえます

安中市街地を一望しちゃえます

普段は無人なので、ご注意を!

普段は無人なので、ご注意を!

 

 古墳の道を挟んだ反対側には、ログハウスのような趣きのガイダンスセンターがあります。ここでは簗瀬二子塚古墳に関するさまざまな情報を知ることができます。この古墳が築造されたのは、古墳時代後期初頭にあたる6世紀の初めごろ。「誰の墓なのか?」など詳しく分かっていない部分も多いものの、この地域一帯を支配した有力者の墓だと考えられているそうです。

 埋葬部に当たる石室は、縦穴式から横穴式へ移った最初の頃のものと考えられ、学術的には大変貴重であることなどがパネル展示で紹介されています。また、この石室の内部を再現したCG映像を見ることができるほか、出土品の紹介も。古墳の主な出土品は、人や馬などをかたどった埴輪で、副葬品としては、当時、身分の高い人物だけが身に付けることができたとされるガラス玉も出土されています。

 

 このガラス玉は、なんと実際に見ることができるらしい…!? ということで、次回は出土品の展示を見るために、安中市の「ある場所」を訪ねます。

 

【名 称】簗瀬二子塚古墳

【所在地】群馬県安中市簗瀬756番1他

【交 通】(電車)JR信越線磯部駅下車後 タクシー約10分 徒歩約30分

(車)上信越自動車道「松井田妙義IC」から約20分、関越自動車道「高崎IC」から約45分

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