大名小路を歩く ~旧安中藩 武家長屋~
(2015年1月10日 伊藤 麗香)
安中市旧邸地区の一角にある武家長屋は、木造平屋建萱葺寄棟造の4軒長屋。現存していたのは3軒だけだったが、藩の右筆・小野直が残した古図面や建物に残されていた痕跡をもとに、取り壊されていた東側の一軒分を新築。建築当初のたたずまいを復元した。平成4年には、安中市指定重要文化財となっている。通りを挟んだ西側に位置する旧安中藩郡奉行役宅と並んで、近年来訪者数が増えているという。
思い返せば、平成25年新春から放送が始まった大河ドラマ「八重の桜」では、主人公である新島八重を支えた、夫・新島襄の功績も注目を集めた。ここ武家長屋は、襄の生前の足跡をたどる『新島襄ヒストリート』の見どころのひとつにもなっており、江戸時代末期から明治初年当時の一般的な武士の暮らし向きがうかがえる。
安中藩は、譜代の中でも3万石と小藩で、家臣団はおよそ300名。その内、安中城内に居住していたのは200名ほど。一部の上流武士を除いて、独立した家屋を持つことは難しく、この長屋に住んだのは中位の藩士であるという。住人として伝えられているのは、儒者見習であった弓削田發、近習・朱印番・大小姓の飯島伴四郎ら。当時は田畑として利用された前庭は、公園事業の一環として園庭となっている。
【大名小路・武家長屋】☆入館料は郡奉行役宅と共通
住所 安中市安中3丁目6−9
電話 027-381-3855
開館時間 3〜11月 9:00〜17:00 12〜2月 9:00〜16:30
休館日 月曜(祝日の場合は翌日) 年末年始
入館料 大人210円 高校生以下無料 ※安中市民は入館無料
http://www.city.annaka.gunma.jp/kanko_spot/daimyou_buke.html