大泉寺の『チャンコロリン石』

(2015年3月16日 トミーサト)

 安中市安中(旧邸)に浄土宗のお寺、大泉寺があります。この寺は初代安中藩主・伊井直勝の生母・東梅院(のちに唐梅院)や、2代目藩主、直好の母・隆崇院のお墓があることでも知られています。

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 【大泉寺】安中市安中3−21−44

 大泉寺境内の木の下には「チャンコロリン石」と呼ばれる石があります。昔、安中宿に「チャンコロリン、チャンコロリン」と、音をたてて夜な夜な転がり回る大きな石がありました。宿場に泊まった旅人たちは、不思議な物音をたてて転がる石を恐れ、不気味な夜を明かしました。この話の噂が広まり、安中宿に泊まる事を避ける旅人も出るほどに・・・。町の役人たちは、この宿の寂れることを心配して相談しましたが、これという対策はありませんでした。
 そこで、町の役人たちは、大泉寺の住職にお願いに行きました。住職は、その晩は寝ずにお経を上げ、石の後を追って歩きました。丸い石は町中を転がり回り、やがて大泉寺の庭に入ると台石の上にのりました。住職は太い釘と槌を持って庭におさめたため、恐れられていた大石は、大泉寺の境内でしずまったという伝説です。
 このお話は、懐かしのテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」でも「大泉寺のころがり石」として取り上げられたことがあります。市原悦子さんや常田富士男さんのナレーションによる、ほのぼのとした昔ばなし・・・。また、見てみたいですね。
(参考 群馬伝説集成)

取材 : ボランティアサポーター・トミーサト

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