鷺宮「聖観音碑」に伝わるユーモラスな伝説
(2015年3月4日 トミーサト)
安中市鷺宮字上平、県道212号線沿いの大きな杉の根本に「聖観音碑」(しょうかんのんひ・安中市指定史跡)がたたずんでいます。高さ約180cm、中央幅約75cmの安山岩に「自在」「勢至」「普賢」の観音三尊が彫られたこの碑は、造立者、正確な年号などは不明ですが、鎌倉時代末期以前の建立と鑑定されています。
この聖観音碑は、地元では「おびんづる様」とも呼ばれ、とてもユーモラスな伝説が残されています。
その昔、近くの丸子沢(川)にかかる橋に、馬に乗ったままその上に通りかかると皆が落馬してしまう不思議な石橋がありました。いぶかしく思った村人たちが、その石橋を起こしてみると、その裏にはなんと三体の仏様の姿が・・・。驚いた村人たちは、その石を洗い清め、この地に祀ったということです。また、この「おびんづる様」は、どんな病でも治す力があるとされ、悪い部位をなでると病気が治るという信仰もあるそうです。
普段は何気なく通り過ぎてしまう県道・・・。身近なところにも、このような文化財や伝説が残されているんですね。
(参考・群馬伝説集成)
取材 : ボランティアサポーター・トミーサト