みんなの期待を植え、育くむ 〜わくわく畑のこれからに「わくわく!」〜

(2015年10月23日 伊藤 麗香)

 「自分がやりたくて始めたこと。それを地域の活性化につなげることができたら、こんなにうれしいことはないですね」。
そう話すのは、安中市在住の小宮ふみこさん。「わくわく畑の会」の会長として同会を主宰する小宮さんは、3期にわたって市議を務めたほか、長い間ガールスカウトの安中地区団員長として、地元の活性化に貢献。半年ほど前、一念発起して念願の『畑仕事』をスタートさせた。

 小宮さんが「わくわく畑」に取り組んだきっかけは、小さなことだった。近年、子どもの貧困が問題になっているという報道がある。6人に1人が空腹で眠れない夜を過ごしているともいわれ、心を痛める日々が続いた。ある日、近所に住む知人に何気なくそのことを打ち明けたところ、「農業をしてみてはどうか」との提案が。
「近くに空き地があるから、そこで農業をしてみてはどうかと聞かれて、すぐに『やる!』と即答したんです」。農業の経験がなかった小宮さん。道具さえそろっていない状態だったものの、近所に住む友人たちの協力や専門家の指導を受けながら、最近では「何とか、さまになってきました」という。

 わくわく畑は、全体880坪の広さ。およそ2/3を占める600坪にはブルーサルビアをはじめ、数種類の花が植えられており、中には、菊やコスモスなど親しみのある品種も。また、現在はサツマイモを育てているほか、シソ科のコリウスなど食べられる花も植えている。地元小学校の通学路沿いにあるこの畑。季節ごとに咲く花々が、道行く児童や保護者の目を楽しませることにもなるだろう。

 「まずは『やる気』。何よりも楽しくなければ始まりません。一歩ずつ着実に。そして、楽しく努力することです」。
最初はけんもほろろだった地域の人も、小宮さんの継続的な活動を見て、今では積極的な協力を惜しまないという。10月中旬現在、20人ほどの会員が集まっており、農作業などの活動に参加してくれた人は延べ50人以上にものぼる。さまざまな世代に広く協力を募ることで、地域の住民同士の交流が活発になってほしいと話す小宮さん。今後は、残りの300坪弱に順次野菜などを植えていく予定。ゆくゆくは近所の子どもたちに向けて、お花の抽選会や野菜をふるまうイベントの開催を考えている。

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