五料の茶屋本陣で『ひな人形展』を開催

(2015年3月1日 ふみふみ)

 3月3日はひな祭り。女の子が誕生すると、幸せに育ってほしいと思いを込めて、ひな人形を贈る習慣があります。松井田町の地域の皆さんが昔のひな人形を収集して、毎年、五料の茶屋本陣に展示し「ひな人形展」を開催しています。この催しは今年で31回目。毎回テーマを選定し、江戸時代から昭和初期のひな人形を多数展示しており、今年は「御殿飾り」をテーマに江戸期から昭和初期までの人形約1000体を展示しています。

 五料茶屋本陣・お西の中に入ると、着物の両肩がピンと横に張り「かみしも」のように見える「裃雛(かみしもひな)がズラリと並び、入館者をお迎えしているように正座しています。この裃雛は、幕末から昭和初期まで、この地方における「おひな様」の主役だったそう。また、「享保雛」と呼ばれる、江戸時代の享保期(1716〜1736年)に作られた大型の優雅な男雛と女雛も飾られています。このお雛様は、当時庶民の人気を集め流行したとも伝えられています。

 今年のテーマになっている「御殿飾り」の歴史は江戸時代後期。京の御所・紫宸殿を模した「御殿」を飾り、天皇皇后を模した内裏雛のお人形を入れる形式のものです。江戸を中心に「段飾り」が発展する一方、上方で優勢だったのが「御殿飾り」。御殿の中には、内裏雛をはじめ官女、警護をする随身、庭掃除をする仕丁などまでが置かれています。段飾りが流行した関東、都の御所での華やかな生活を再現した関西・・・。じっくり見学すると、ひな人形の歴史や文化の違いがよく分かります。

 建物内には、雛人形のほか打掛や振袖も展示され、中でも、婚礼衣装の白無垢は女優・富司純子さんが結婚式に着用したものだといいます。

 この季節、この場所でたくさんのひな人形が見られるのも、地域の方々が大切に残し、伝え、守ってきたからこそ。今回、「お西お東友の会」のボランティア・中島純子さんの案内で、ひな人形の特色と優雅な衣装、段飾りに配置されている小道具等の説明を丁寧にしていただきました。中島さんのおかげで、一層興味深く江戸時代のひな人形を『見て、聞いて、楽しむ』ことができ、本当に感謝しています。

 この「ひな人形展」は3月22日(日)まで開催。また、4月14日から5月24日には、五月人形展が開催されます。ぜひ、また訪れたいと思います。

取材・ボランティアサポータ ふみふみ&トミーサト ほか

【県指定史跡・五料の茶屋本陣】
安中市松井田町五料564-1
開館時間 午前9時〜午後4時30分
休館日 毎週月曜
入館料 大人210円 小人100円 ※団体割引あり

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 ズラリと並ぶ「裃雛」がお出迎え

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 優雅な御殿飾り

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展示には打ち掛けや振り袖も・・・

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