鷺宮咲前神社で「春まつり」開催 〜太々神楽二百年記念大祭〜
4月1日は鷺宮咲前神社の「五穀豊穣春まつり」の日。今年は太々神楽伝承200年記念を迎え、神楽殿の改修も行われました。春まつり当日には、市指定重要無形文化財ともなっている太々神楽の「猿田彦大神」「両刀」「天狐」「素佐之男大神」など12演目が、笛や太鼓の音楽にのって盛大に披露されたほか、餅まき、座繰り実演なども行われ、多くの参拝者でにぎわいました。
恒例の「餅まき」には、神楽殿周辺に参拝者が続々と集まって来ます。お餅、ミニだるま、カラーボール、お菓子などがまかれると、集まった大勢の人が高く手をのばします。お餅などが取れた幸運な人は、皆うれしそう。取れなかった人は残念だったでしょうが、この「餅まき」の雰囲気を楽しんでいた様子。あちこちで「取れた?」「取れなかった」など楽しそうな会話が聞かれました。
ふと見ると、大きなだるまを持っている人が・・・。
「そのだるま、どちらで買ったのですか? 」と聞くと
「買ったのではないよ。景品と交換できるカラーボールが取れたので、だるまと交換してもらったんです」と、たいへんうれしそうに話してくれました。
「餅まき」の福は、多くの人に伝わったんですね。
神社の境内には屋台が並び、農機具、花植木の露店なども出ていました。また、本殿の横では「座繰り実演」などがあり、とても賑やか。安中に住んでいながら、同神社の太々神楽を見たのは初めて。ぜひ、また、来てみたいと思いました。
〜鷺宮咲前神社の太々神楽は市指定重要無形文化財〜
同神社の太々神楽は、1815(文化12)年、高崎市石原の小祝神社から伝わったとされています。小祝神社からなぜ神楽を習うようになったかの経緯は不明だということですが、神楽殿正面に掲示された奉額には「文化十二年」の記載があるそう。
神楽を上演できる保存会が少なくなってきていますが、40年以上伝統を受け継いでいる同神社・太々神楽保存会員の情熱と継承は敬服に値します。保存会は、消滅の危機を乗り越え、太々神楽の後継者育成を目指して、地域文化を伝えて行く原動力となることでしょう。
【お知らせ】
安中市学習の森 ふるさと学習館では、4月25日(土)から6月22日(月)まで「咲前神社太々神楽展」が開催されます。養蚕文化とともに歩んできた同神社の太々神楽について詳しく知ることができる同展に、ぜひお出かけください。
取材 : ボランティアサポーター・ふみふみ ほか