?ロケツーリズムによる地域振興セミナー 開催? 撮影支援組織設立へ
講演会「ロケツーリズムによる地域振興セミナー in あんなか 〜地方創生のカギがここにある〜」が、6月2日、安中市松井田町の松井田文化会館小ホールで開催され、63人が会場を訪れた。同セミナーでは、国交省観光庁のロケツーリズム連絡会で座長を務める(株)地域活性プランニングの藤崎愼一氏が講演。「人も物も全て同じという地域はない。ご紹介する事例についても、キーワードと活動を何となく理解してもらえれば十分です。必要なのは、受け入れ窓口の一本化、ルールを守ること、地域が一体となること。『官』だけでも、『民』だけでも駄目なんです。官民一体となって地域が盛り上がらないと、成功はありえない」と熱弁をふるった。
ロケツーリズムとは、一般にその土地で撮影された映画・ドラマなどの作品を、観光客誘致に活用すること。従来のロケ誘致に力点を置いたフィルムコミッションの取り組みと比べ、ロケツーリズムでは「ロケの観光面での活用に力点を置き、地域活性化につなげること」を目的としている。藤崎氏は「映画・ドラマのロケ地を訪ね、物語の世界にひたり、その地域のファンになること」とも定義し、「ロケ誘致やご当地グルメは目的ではなく、地域振興のための手段」と強調する。

ロケツーリズムの取り組みについて、実例をあげて解説する藤崎氏
また、ロケ誘致に際しては、撮影がスムーズに行えることが重要なため、窓口の一本化は必須。「撮影側も受入側もルールをきちんと守ること」や「地域一体となった協力体制」が、制作者らにとって「ロケを行う場としての魅力」となる。また、作品公開後は、ロケ地となったことが観光客をひきつける要因となり、観光振興・地域振興へとつながっていくという。
ロケ情報誌「ロケーションジャパン」の発行人でもある藤崎氏は、「担当者を一人だけつけて支援全てを行わせた自治体は、軒並み失敗している。安中市は勉強会や意見交換会にも市長自らが参加するほどの地域。コアメンバーも意欲的」と語る。同市観光課の担当者は「コアメンバーは観光や地域振興に関わる団体から推薦された方と、若干名の公募者で構成されるはずでした。しかし、短期間で市内外から10名を超える申込みがあり、その熱意に応えて公募枠を増やしました」と言う。
意欲満々のコアメンバーらは、同セミナー後に行われた意見交換会で、勝手連として「あんなかロケ応援隊(仮)」を結成。来月1日に予定される第1回撮影支援組織設立検討委員会の前に会議を行い、コアメンバーとして組織への提言をまとめるなど、発足後に向けて活動を進めていく。「(仮)なのは組織設立まで待てなかったから。ここに集まった皆さんの情熱をくすぶらせず、地域振興へと発展させていきたい」と話すのは、隊長(仮)となった小宮氏。同市担当者は「講演や会議の内容などを簡単にまとめた報告書は、随時、ホームページで公開します。どれだけの方に理解していただけるかが成功へのカギとなりますから」と話している。これからの活動に注目したい。