今が満開!! ろうばいの郷
〜「ろうばいまつり」を育てた情熱〜
松井田町上増田地区にある「ろうばいの郷」では、1月11日、今年で15回を迎える「ろうばいまつり」が開催されました。ろうばいの郷は、面積約3.2ha、1200株・1万2000本のろうばいの木が植えられ、園内には黄色い花の甘い香りが漂います。イベント当日は、太鼓演奏、歌謡舞踊、八木節、甘酒や切り花のプレゼントなどが実施されたほか、今回は湯河原町観光協会の協力でみかんや同町の観光パンフレットの配布も行われました。
この「ろうばいの郷」ができた経緯を調べてみました。この場所は耕作放棄地となって、とても荒れていました。黛丞(まゆずみ じょう)さんは「これはなんとかしなければ! みんなが楽しめる場所にしていきたい」と強く思ったそうです。「何を作ってもお金にならない時代。荒れ地となる農地を守りたい・・・」と。
農業で生きていくには、面白い農業、消費者が買いに来る農業、若い人がやってくれる農業でなくてはなりません。その最初の仕事として、冬に咲く花「ろうばい」を植えようと決めたといいます。平成元年夏、新井ろうばい園さんらの助けをいただき、細野ケ原にろうばいを移植したのが始まりでした。何年もかけて、草刈、駐車場、トイレ、遊歩道などを整備し、平成13年1月に第1回「ろうばいまつり」を開催。地域の人達とともに盛り上がりました。
黛さんが1本の苗を植えた日から十数年。ろうばいの郷も立派な農業法人となりましたが、ご自身も80代を迎えて高齢となったため理事を辞任し、後任の方に事業を引き継ぎました。「たったひとりの人間がどこまでやれるか」と実践し、仕事とろうばいの郷作り一筋の黛さん。畑一枚一枚に言い尽くせない話があり、つらかった思い出も多かったことでしょう。あきらめずに続けていくことの大切さを教えられました。
取材 / ボランティアサポーター・ふみふみ
お話を聞かせてくださった黛さん
晴れた日には、青い空と黄色いろうばいの花のコントラストが素敵です
珍しいものを見つけました。ろうばいの実、その中には柿の種のような種が入っています