4月19日から五月人形展 開催 ~五料の茶屋本陣〜 ? 

(2016年4月13日 伊藤 麗香)

 恒例の五月人形展が、今年も「五料の茶屋本陣」で開催されます。毎年たくさんの人形が展示されるこのイベントでは、約500体もの五月人形が一堂に会します。江戸時代に制作されたという「竹田人形」をはじめ、大正時代から昭和まで、さまざまな時代の人形が並ぶさまは、雛人形展とはまた趣きが異なります。

 今年の目玉は、何といっても「大田道灌と山吹の花」の展示。江戸城を築城したことでも知られる名将の幼少期にまつわる逸話の一節を捉えた、情緒あふれる作品です。父を訪ねて越生(おごせ : 現在の埼玉県入間郡越生町)の地を踏んだ大田道灌は、突然のにわか雨に見舞われ、道中の農家に立ち寄って「雨よけのために蓑(みの)を貸してほしい」と請うたといいます。しかし、農家の娘から差し出されたのは、蓑ではなく山吹の花でした。予想外の出来事を腹に据えかねたものの、実はその家には貧しさゆえに借し出せる蓑がなかったことを知るのでした。

「七重八重 花は咲けども 山吹の実の一つだに なきぞ悲しき」

 『後拾遺和歌集』に編纂されたことでも著名な兼明親王による古歌になぞらえて、請われた蓑の代わりに山吹の花を差し出した娘。彼女の賢明さに心を打たれた道灌は、それから歌道にも邁進(まいしん)したと伝えられています。このエピソードは、この五月人形の題材になっているほか、「落語」や「絵画」などにも用いられているそう。また、逸話の舞台となっている越生町をはじめ、各地に記念碑も建立されています。

 そのほかの見どころとしては、「金太郎」をかたどった人形も。こちらは、およそ30体ほどの展示を予定しているとのこと。源頼光の四天王として「酒呑童子」を退治したと伝わる坂田金時。まだ「金太郎」と呼ばれていた幼少期に巨大な鯉を捕まえた「鯉金」とも呼ばれる有名な逸話や「熊と相撲をとった」というお馴染みの場面が、躍動感いっぱいに表現されています。なかなか見比べる機会のない金太郎人形。ここでお気に入りの一体を見つけてみるのもいいのでは。

 「端午の節句」の起源は、江戸時代といわれています。「武芸を重んじること」を意味する「尚武」が「菖蒲」の読みと同じことから、菖蒲の咲く季節に『男の子の成長を祝う行事』として定着したともいわれています。五料の茶屋本陣では男の子のお祝いらしく、江戸時代の「のぼり旗」や昭和期の「座敷旗」も見られます。

 近年では、その芸術性の高さから海外でも話題になることが多い五月人形。この機会に、ぜひ足を運んでみてください。

取材・文 : ボランティアサポーター・伊藤麗香

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【五料の茶屋本陣】
所在地 :群馬県安中市松井田町五料564‐1
電話番号:027‐393‐4790

アクセス:
車なら、上信越自動車道松井田妙義I.C.より約5分
徒歩ならJR信越線西松井田駅から徒歩約30分(タクシー約15分)

【五月人形展】
開催期間:平成28年4月19日(火)~5月15日(日) 月曜休館(5/2含む)
開催時間:午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)

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