? 今月21日まで開催 五料の茶屋本陣「ひな人形展」 その舞台裏は… ?

(2016年3月2日 ふみふみ)

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 明日3月3日は桃の節句。群馬県指定史跡、五料の茶屋本陣 お西・お東では「第32回ひな人形展」が開催されています。開幕記事は、すでに当サイトでもアップしていますので、皆様ご承知の恒例行事。開催中の展示会場には、みやびやかなおひな様たちがズラリと並んでいますが、その姿になるまでには数々のドラマが…?! 今回はその準備作業について、さらに詳しく紹介します。

 同史跡には30年以上かけて集めた、ひな人形約1500体が保存されているといいます。これらの人形は、地域内外の厚意ある提供者から寄せられた人形たち。展示を始めようとした当時は、まず、『昔のおひな様を持っている人探し』から始めたそうです。

 同展がスタートしてから1~2年は、展示が終了すると提供者に返却。当初は数が少なかったものの、根気よく呼びかけ、時を重ねるうちに数が増えていきました。「ひな人形展を毎年開催し、恒例行事へ」。そう決まると、好意的にひな人形を提供してくれる人も、さらに増えていったとか。提供の場合は、保管管理を考慮して、昭和30年以前のものに限定。近年に作られたひな人形ではなく、史跡である展示場所にマッチするような『歴史あるもの』に限りました。

 おひな様たちの展示作業に精を出すのは、「五料の茶屋本陣 お東お西友の会」のボランティアと市職員ら約20人。毎年、来場者に楽しんでらえるよう、レイアウトや見せ方の工夫を行っているといいます。ひな人形、小道具、掛け軸、打掛などは、それぞれ衣装ケースに分類。史跡の蔵に保管されている多数のケースを、搬出するだけでもひと苦労です。

 ケースから出したひな人形たちはバランスよく配置され、展示を見に来る方々の目線を意識しながら、何度も位置を調整します。大きな5段飾り台の中央3段目は、ナント、人が乗れるように組まれているのだそう。これは、展示を見ているだけでは分からなかったコト。台の3段目に乗り、高いところに置く人形を飾り付ける人、飾る人形を手渡す人、小物を出してきちんと並べる人など…。それぞれが、テキパキと準備を進めていきます。

 美しく飾られたひな人形たち。古いものだけに、中には、衣装などに痛みが…。よく見ると裃雛(かみしもびな)の袴のほつれた所には「わら」が見えています。「人形の中はわら製なんだ ?! 」と、びっくり。ひな人形展の舞台裏を見せていただくことで、地域の人々の想い、ひな人形を提供してくれた方々の想い、そして、文化遺産を大切にしていくことの大切さと苦労が伝わってきました。

 ? 同展の開催は3月21日(月・祝)まで。ぜひ、開催中に足を運んでください。 ?

【県指定史跡・五料の茶屋本陣】
安中市松井田町五料564-1
☎027・393・4790
開館時間 午前9時〜午後5時(最終入館・同4時30分)
休館日 毎週月曜
入館料 大人210円 小人100円 ※団体割引あり

取材・文 : ボランティアサポーター ふみふみ

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